米麹と玄米麹の違いとは?栄養価を徹底比較!

近年、健康志向が高まる中で、米麹と玄米麹の人気が急上昇しています。しかし、これらの麹の違いや、それぞれの栄養価について知っている人は少ないかもしれません。本記事では、米麹と玄米麹の違い、そしてそれぞれの栄養価について詳しく解説します。30代~40代の健康を意識する皆さんが、どちらを選ぶべきか迷っている方のために、わかりやすくまとめました。ぜひ最後までお読みください。

1.米麹と玄米麹の基本情報

・1-1 米麹とは何か?

・1-2 玄米麹とは何か?

2.製造過程の違い

・2-1 米麹の製造過程

・2-2 玄米麹の製造過程

3.栄養価の違い

・3-1 米麹の栄養価

・3-2 玄米麹の栄養価

4.健康効果と選び方

・4-1 米麹と玄米麹の健康効果

・4-2 どちらを選ぶべきか?

1-1 米麹とは何か?

米麹(こめこうじ)とは、蒸した米に麹菌(Aspergillus oryzae)を繁殖させた発酵食品です。麹菌が米に付着し、米のデンプンを分解して糖分を作り出すことで、独特の甘みと風味が生まれます。日本では古くから、味噌や醤油、甘酒などの発酵食品の製造に欠かせない存在として利用されてきました。

米麹は白米を使用するため、クセが少なく、甘みが強いのが特徴です。また、発酵の過程で生成される酵素やビタミン、アミノ酸が豊富に含まれており、消化吸収を助ける働きもあります。さらに、米麹は免疫力を高め、腸内環境を整える効果も期待されているため、健康志向の高い方々に人気があります。

1-2 玄米麹とは何か?

玄米麹(げんまいこうじ)とは、玄米を原料として麹菌を繁殖させた発酵食品です。玄米は、白米と異なり、精米されていないため、米の外皮や胚芽が残っています。これにより、玄米麹は米麹と比較して栄養価が高く、特に食物繊維やビタミン、ミネラルや、ぬか層のタンパク質が豊富に含まれています。

玄米麹の製造過程は米麹と同様に、玄米を蒸し、その後に麹菌を付着させて発酵させます。しかし、玄米の外皮(ぬか層)が硬いため、米麹と同様の作業では、麹菌がお米の中に入っていくことが出来ず、玄米麹に加工する事はできません。その為、玄米麹の製造には独自の技術が必要になります。時間と手間がかかりますが、米麹にはない、ヌカ層に含まれる豊富な栄養素が含まれます。

2-1 米麹の製造過程

米麹の製造過程は以下のように進められます:

  1. 米の選別と洗浄: 使用する白米を選別し、異物や不純物を取り除きます。次に、米を丁寧に洗浄し、余分な汚れや糠を取り除きます。
  2. 浸漬(しんせき): 洗浄後、米を一定時間水に浸漬させます。これにより、米の内部まで水分が均一に行き渡ります。
  3. 蒸し: 浸漬した米を蒸します。この蒸し工程により、米のデンプンが糊化し、麹菌が付着しやすい状態になります。蒸し加減は非常に重要で、適切に蒸し上がると、米はふっくらと仕上がります。
  4. 冷却: 蒸した米を適切な温度まで冷却します。高温のままでは麹菌が死滅してしまうため、適度に冷却し、麹菌が活発に繁殖できる温度(約40℃以下)まで下げます。
  5. 種麹(たねこうじ)の散布: 冷却した米に種麹(麹菌の胞子)を均一に散布します。種麹は麹菌の繁殖を促すための重要な役割を果たします。
  6. 培養: 種麹を散布した米を、適切な温度と湿度を保った状態で培養します。通常、24〜48時間かけて麹菌を繁殖させます。この間、定期的に米をかき混ぜて、酸素を供給し、均一に麹菌が成長するようにします。
  7. 仕上げ: 麹菌が十分に繁殖し、米の表面が白く覆われた状態になったら、米麹の完成です。完成した米麹は、味噌や醤油、甘酒などの発酵食品の材料として使用されます。

このようにして製造される米麹は、発酵食品の製造に欠かせない存在であり、その豊富な酵素や栄養素は、健康維持に役立ちます。

2-2 玄米麹の製造過程

玄米麹の製造過程は米麹と基本的に似ていますが、玄米の特性に合わせた手順と注意が必要です。以下にその詳細を説明します:

  1. 玄米の選別と洗浄: 使用する玄米を選別し、異物や不純物を取り除きます。玄米には特有のヌカが付帯している為、そのままの状態では麹菌が玄米の中に入っていけないので、独自の技術で事前に手入れをします。玄米の外皮には汚れが付きやすいため、丁寧に洗浄し、汚れをしっかりと取り除きます。
  2. 浸漬(しんせき): 洗浄した玄米を一定時間水に浸漬させます。玄米は外皮が硬いため、白米よりも長い時間をかけて浸漬する場合もありますが、当店では事前の独自の技術を踏まえるため米麹と同等の時間行います。これにより、玄米の内部まで十分に水分が行き渡ります。
  3. 蒸し: 浸漬後、玄米を蒸します。玄米の外皮が硬いため、蒸し時間は白米よりも長くなります。適切に蒸し上げることで、玄米のデンプンが糊化し、麹菌が付着しやすい状態にします。
  4. 冷却: 蒸した玄米を適切な温度まで冷却します。麹菌が活発に繁殖できる温度(約40℃以下)まで冷却します。玄米は熱がこもりやすいため、冷却には特に注意が必要です。
  5. 種麹(たねこうじ)の散布: 冷却した玄米に種麹(麹菌の胞子)を均一に散布します。玄米の表面が滑らかでないため、種麹が均等に行き渡るよう、しっかりと混ぜ合わせます。
  6. 培養: 種麹を散布した玄米を、適切な温度と湿度を保った状態で培養します。玄米は白米に比べて発酵に時間がかかるため、通常48〜72時間かけて麹菌を繁殖させます。この間、定期的に玄米をかき混ぜ、酸素を供給し、麹菌が均一に成長するようにします。
  7. 仕上げ: 麹菌が十分に繁殖し、玄米の表面と芯が白く覆われた状態になったら、玄米麹の完成です。完成した玄米麹は、米麹同様に味噌や醤油、甘酒などの発酵食品の材料として使用されます。
  1. 栄養価の高さ: 玄米麹は米麹に比べて、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富です。特にビタミンEやミネラル(マグネシウム、鉄分、亜鉛)が多く含まれており、総合的な栄養価が高いです。また、玄米のヌカ層に最も多く含まれるγ‐アミノ酪酸(GAVA)が多く含まれ、ストレス緩和・睡眠の質向上にも期待ができます。
  2. 血圧低下: GABAは血管の緊張を緩める作用があり、高血圧の予防や改善に寄与します。
  3. 抗酸化作用: 玄米特有のγ-オリザノールやフィチン酸、フェルラ酸は強力な抗酸化作用を持ち、細胞の老化を防ぎ、生活習慣病の予防に効果的です。これらの成分は、健康を維持し、若々しさを保つのに役立ちます。
  4. 食物繊維の多さ: 玄米麹には食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整え、便秘の改善やデトックス効果があります。また、食物繊維は血糖値の急上昇を防ぐため、糖尿病予防にも有効です。
  5. コレステロール低減効果: 玄米に含まれる成分はコレステロール値を下げる効果があり、心血管疾患のリスクを低減します。健康な心臓を維持するためには、玄米麹の摂取が有効です。
  6. 自然な甘みと風味: 玄米麹は独特の自然な甘みと風味を持っており、料理に深い味わいを与えます。健康を考えながら、美味しい料理を楽しむことができます。

玄米麹の製造は、玄米の特性に合わせた細かな調整や、独自の特別な技法が求められますが、その高い栄養価と独特の風味は、健康志向の高い人々に非常に人気があります。

  1. 食物繊維: 玄米の外皮部分に多く含まれる食物繊維が、玄米麹にも豊富に含まれています。食物繊維は腸内環境を整え、便秘の改善やデトックス効果が期待されます。
  2. ビタミン: 玄米にはビタミンEやビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6など)が豊富に含まれており、これらは抗酸化作用やエネルギー代謝の促進に役立ちます。
  3. ミネラル: 玄米に含まれるマグネシウム、鉄分、亜鉛などのミネラルも多く含まれています。これらのミネラルは、骨や歯の健康維持、血液の酸素運搬、免疫力の向上に寄与します。
  4. γ-オリザノール: 玄米特有の成分であるγ-オリザノールが含まれており、これには抗酸化作用やコレステロール低減効果があります。
  5. フィチン酸: 玄米に含まれるフィチン酸は、ミネラルの吸収を助ける効果があり、抗酸化作用も持っています。

3-1 米麹の栄養価

米麹は、白米を原料とするため、精製された炭水化物を主成分としていますが、発酵の過程で生成される栄養素も豊富です。以下に米麹の主な栄養価を紹介します:

  1. 酵素: 米麹は多数の酵素を含んでいます。特にアミラーゼやプロテアーゼなどの酵素が多く含まれ、これらはデンプンやタンパク質を分解し、消化吸収を助けます。
  2. ビタミン: ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6など)が豊富に含まれています。これらのビタミンは、エネルギー代謝を促進し、疲労回復や皮膚の健康維持に寄与します。
  3. アミノ酸: 発酵過程で生成されるアミノ酸が豊富で、特にグルタミン酸などの旨味成分が多く含まれます。これにより、味噌や醤油などの発酵食品に深い味わいを与えます。
  4. ミネラル: 微量ではありますが、カリウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラルも含まれています。これらは体内の電解質バランスを整え、代謝を助けます。

米麹は白米を使用しているため、玄米麹と比較すると食物繊維や一部のビタミン・ミネラルの含有量は少ないですが、その消化吸収の良さと豊富な酵素により、健康維持に役立ちます。

3-2 玄米麹の栄養価

玄米麹は玄米を原料としているため、米麹に比べて栄養価が高く、特に健康効果が期待される成分が多く含まれています。米麹の栄養価はもちろん含まれますが、以下に玄米麹の主な栄養価を紹介します。

玄米麹は、玄米の外皮や胚芽を含むため、米麹よりも豊富な栄養素を提供し、特に食物繊維や抗酸化成分のフェルラ酸やγ‐アミノ酪酸(GAVA)が多いのが特徴です。これにより、健康維持や生活習慣病の予防に効果的です。

4-1 米麹と玄米麹の健康効果

米麹の健康効果

これらの理由から、特に栄養価と健康効果を重視する人々にとって、玄米麹は非常に魅力的な選択肢となります。

  1. 消化促進: 米麹には消化酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ)が豊富に含まれており、これらがデンプンやタンパク質を分解し、消化吸収を助けます。これにより、胃腸の負担を軽減し、消化不良を防ぎます。
  2. 免疫力向上: 米麹にはビタミンB群が豊富に含まれており、これらはエネルギー代謝を促進し、免疫力を高めます。また、発酵過程で生成される酵素やアミノ酸が、体内の免疫システムをサポートします。
  3. 腸内環境の改善: 米麹に含まれる酵素や食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えます。これにより、便秘の改善やデトックス効果が期待されます。

玄米麹の健康効果

  1. 高い栄養価: 玄米麹は玄米を使用しているため、ビタミンE、ビタミンB群、ミネラル(マグネシウム、鉄分、亜鉛)などの栄養素が豊富です。これらの成分は抗酸化作用やエネルギー代謝の促進、免疫力向上に寄与します。
  2. 食物繊維の豊富さ: 玄米麹には多くの食物繊維が含まれており、腸内環境を整え、便秘の改善やデトックス効果をもたらします。また、食物繊維は血糖値の急上昇を防ぎ、糖尿病予防にも効果的です。
  3. 抗酸化作用: 玄米に含まれるγ-オリザノールやフィチン酸などの成分は、強力な抗酸化作用を持ち、細胞の老化を防ぎ、生活習慣病の予防に役立ちます。
  4. コレステロール低減: 玄米に含まれるフェルラ酸も強力な交差感化作用を持ち、コレステロール値を下げる効果が期待でき、心血管疾患のリスクを低減する事を示す報告もされております。

4-2 どちらを選ぶべきか?

玄米麹を選ぶべき理由の一つに、GABA(γ-アミノ酪酸)の含有量があります。GABAはアミノ酸の一種で、リラックス効果やストレス軽減、血圧低下などの健康効果が期待される成分です。以下に、玄米麹に含まれるGABAの特徴とその効果について説明します。

玄米麹のGABAについて

GABA(γ-アミノ酪酸)

  1. GABAの生成: 玄米にはもともとGABAが含まれており、発芽玄米にすることでさらにその含有量が増加します。玄米麹の製造過程でもGABAの含有量が高まります。
  2. リラックス効果: GABAは神経伝達物質の一つで、脳の神経活動を抑制する作用があります。これにより、リラックス効果やストレス軽減が期待され、不安や緊張を和らげる効果があります。
  3. 血圧低下: GABAは血管を拡張し、血流を改善する作用があります。その結果、血圧を低下させる効果があり、高血圧の予防や改善に役立ちます。
  4. 睡眠の質向上: GABAは脳のリラックス状態を促進するため、入眠を助け、睡眠の質を向上させる効果があります。不眠症や睡眠障害に悩む方にとって、GABAの摂取は有益です。

どちらを選ぶべきか?

米麹と玄米麹のどちらを選ぶかは、目的やライフスタイルに応じて異なります。

米麹を選ぶべき場合

  • 消化が良い食品を求めている方:米麹は消化酵素が豊富で、消化吸収がしやすいため、胃腸に優しいです。
  • 料理の甘みを求めている方:米麹は白米を原料とするため、自然な甘みが強く、料理にコクを与えます。

玄米麹を選ぶべき場合

  • 栄養価の高い食品を求めている方:玄米麹はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、総合的な栄養価が高いです。
  • 抗酸化作用を重視する方:玄米特有の成分であるγ-オリザノールやフィチン酸が抗酸化作用を持ち、健康維持に役立ちます。
  • GABAの健康効果を期待する方:玄米麹に含まれるGABAはリラックス効果や血圧低下、睡眠の質向上など、多くの健康効果があります。

結論として、栄養価や特定の健康効果(特にGABAの効果)を重視するなら玄米麹、消化吸収の良さや料理の甘みを重視するなら米麹を選ぶと良いでしょう。それぞれの特性を理解し、自分の健康ニーズに合った麹を選んでみてください。

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